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フィンランドのデザインと教育

北欧の中でも、デンマーク、スウェーデンと異なり王制でなく大統領制のフィンランド。素朴でシャイだけれど優しい人柄がどこか日本人とも通じたりもして、他の国と比べてちょっと異なる魅力を感じます。北欧の教育・福祉の水準は世界でも高いことで知られていますが、フィンランドでは1968年に「持てる資源のほとんどを教育に投資する」といった大胆な教育改革が決断され、この国で暮らすすべての「子どもの権利」が認められているんですよ。

 

こちらは中央図書館「Oodi」。2018年12月にオープンし、今夏、国際図書館連盟(IFLA)により、2019年度の「Public Library of the Year」に選ばれました。125億円かけて造られたということで、それだけで教育を大事にしていることが伝わってきます。

 

 

図書スペースは本を厳選し、 スペースを広く取れるよう工夫されているため、車椅子でも通りやすく、すっきりとした印象。ここにない本は、他の図書館からの取り寄せもスムーズだそうです。 広いフロアには〈アアルニオ〉の名作、ボールチェアも発見!北欧では、暮らしながら自然と美的感覚が養われるのも納得です。

 

 

フロアの真ん中にある一番よい特等席は、赤ちゃんエリアです。ラグ敷きで自由にくつろぐ親子の姿を見ると、こちらまで幸せな気持ちになります。
子ども向けの本やボードゲームなども充実している様子。スタイリッシュなカフェもあり、ベジタリアンメニューに近いヘルシーな料理も美味しく楽しめました。図書館のテラスからは、〈アアルト〉の名建築、コンサートホールや国会議事堂も見渡せます。

 

 

続いて、フィンランドを代表するデザイン・コレクションが所蔵されている「デザインミュージアム」。ここもまた、子どもたちの学び場。もともと、美術と工芸の学校だった建物をミュージアムとして公開しています。マリメッコやアアルト、カイ・フランクなど、伝統から最先端までのデザインヒストリーに触れられます。

 

 

ちょうど幼稚園児たちの見学風景に出会いました。北欧では難民を受け入れてきた歴史があり、アルバニア、アラブ、アジア系など人種も多様。子どもたちの個性もさまざまです。

 


課外授業なのか、トラムで移動する学生たちにも遭遇しました。制服はなく、自由な感じがいいですね。 バスに乗っても、ベビーカーが5台くらい置けるスペースがあったり、子育てに理解を示す場面に出会います。私たち旅行者が困っているときもさっと手助けしてくれる優しさなど、どこから来ているのでしょうか。

実はフィンランドは、独立して100年余りの歴史の浅い国。独立前はスウェーデンに支配されたり、ロシアに侵略されるなど大国に挟まった小さな国として苦しい状況にも耐え抜いてきたその辛抱強さが、豊かな国の政策やシャイで温かな国民性につながっているのかもしれないと感じます。 日常の中にとけ込むインテリア・デザインとともに、教育を国づくりの軸に取り組むフィンランドの姿をご紹介しました。

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